平成23年度 阪神地区活動報告

■平成23年度 第1回定例会(研修会)

山本清邸1 7月30日(土)の午後、にわかの夕立の中、徒歩・自転車・車というようにバラバラな手段を使って、山本清記念財団会館(旧山本家住宅、昭和12年、国登録文化財)に13名が集まった。まず、記念財団会館の中を自由に見学した。今回の講師でもある山崎さんに、案内していただき、ところどころで解説をお願いした。
 特に、鉄筋コンクリート造の蔵の中は、初めての参加者も多く、興味深く見て回った。
 次に茶室を見学し、庭を見て回ったが、予定時間は少し過ぎていた。

山本清邸2 山本邸

 浦邸

 山本清記念財団会館を出て、道路を挟んで向え側に建っている浦邸(設計吉阪隆正、昭和31年、国登録文化財、DOCOMOMO Japan 150選に選定)に向った。

 こちらでは、稲上さんの案内で、玄関内まで入ることができた。
 山本清記念財団会館と浦邸は西宮市の景観形成建築物に指定してもらうべく会員が動いている。

 さて、見学を終えた参加者は、山本清記念財団会館に隣接する「夙水苑」に向った。
「夙水苑」は西宮市が経営する施設で、今回、会議室を借りて、会合を開くこととなっている場所である。会議室は15名程度が入れる部屋で、建物自体が新しいので、室内は結構きれい。
 早速、今回の講師の山崎さんと稲上さんから講義を伺った。テーマは、「登録文化財の登録申請について」である。今回の資料は90ページ近い分量があった。

説明会
 まず、山崎さんから、資料に則って説明があり、ついで、稲上さんから浦邸の資料をもとに説明を伺いました。その後、2~3の質問が参加者からあり、山崎さん・稲上さんから応えていただきました。予定時間をオーバーしましたが、内容の濃い見学会と講義を終え、3時40分過ぎに解散となりました。

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■H2O阪神・11月12日定例会

(尼崎市立大庄公民館・尼崎市立大庄小学校見学会)

  11月12日(土)、今年度第2回の定例会を尼崎市内にある登録文化財の建物とそれに匹敵すると思われる建物の2か所を見学した。
 当日は、天候も良く、交通の便が悪いにもかかわらず17名余りのメンバーが参集した。午後1時半の開始時間には、ほぼ全員が、大庄公民館前に集合し、本日の案内人の桃谷さん(尼崎市立文化財収蔵庫 学芸員)の解説を受けながらまず、建物の外周から見て回った。

大庄公民館 大庄公民館

 この建物は村野藤吾が設計した旧大庄村役場で昭和12年に建てられたものです。特に、村野藤吾が独立後、初めて設計を手掛けた庁舎建築として記念碑的な意義を有する建築物です。

 その後、庁舎内に入り、まず屋上に上がり、順次下の階に降りていくこととしました。屋上から見渡す景色も、桃谷さんからの解説で、建築当時の景色との違いが想像され感慨い深いものをメンバーの皆様、感じられたようです。

 3階の洋間では歴代の村長の写真もあり、建築物そのもの以外で、歴史を感じるものでした。1時間半近い見学も和気あいあいのなかで終え、次に大庄小学校に向いました。

 大庄小学校は昭和8年に北校舎の西半分、昭和10年に東半分を建築し、昭和11年に南校舎を建築する。いずれれも鉄筋コンクリート3階建てです。

大庄小学校 大庄小学校

 桃谷さんの解説を受けながら2階の講堂部分や3階の一部(2階講堂の真上)を見て廻りましたが、3階部分では桃谷さんすら見たことが無いという新しい発見があり、メンバー全員が驚きと感心の声を挙げていました。それが下記の写真です。
大庄小学校 まず、講堂の上の部分に大きな鉄骨構造の屋上補強の梁が入っていたことと、講堂の一部(部屋になっている部分)の天井裏に木造の屋根構造体があり、しかも何故か段がついている(棟部分)ということ。解説案内人の桃谷さんも、見たことないと驚いておられました。

 

大庄小学校 今回のこの小学校の校舎を見て、参加者が「南校舎」はきれいに化粧直しされているがカラーが問題だ。むしろ北校舎の感じがとてもいいというような感想を述べられていたのが注目される。

 桃谷さんの話から、この建物は今後も維持管理されていくだろうということでメンバーも一安心(というのも小学校の統廃合は昨今では当たり前になってきているので)。できれば、登録文化財にしたいなあ。
 2時間あまりの公民館と小学校の見学も予定通り終了し、参加されたメンバーも満足された様子で、とても素敵な見学会になったと思います。
最後に、案内いただいた桃谷さんにお礼を申し上げ、4時前に解散いたしました。

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■H2O阪神・平成23年度 新年会報告

  平成24年1月22日(日)12:30~14:30 / 場所:がんこ宝塚苑 参加者:6名

・宝塚南口近辺の建物探訪
  当日の午前10時30分に阪急宝塚南口駅に集合したのは4名。米谷さんの案内で早速探訪に出かける。最初に、駅前にある宝塚ホテルを見学。現在では新館がメインになっているが、我々が向ったのは旧館(1926年竣工・古塚正治氏設計)の方である。残念ながら内部を見学することは出来なかったので外観のみ見て廻り、4名でいろいろと意見を交わした。
宝塚カトリック教会 次に向ったのが宝塚カトリック教会。村野藤吾氏設計の建物で1965年に竣工した。
 まず建物のデザインが素晴らしく、きれいな曲線を強調した建物である。運よく、内部も見ることができた。おまけに教会の方に詳しい解説までしていただきましたし、資料もいただきました。解説によればこの建物はクジラをイメージし、クジラの体内が教会の内部ということである。解説を聞き、写真を撮り、外周を見て廻り、結局30分以上の時間がかかった。

宝塚カトリック教会 宝塚カトリック教会

 次に米谷 さん推薦の「正面のない家」(1961年竣工・西澤文隆氏設計)の外観を見て、更に武庫山の建物を見て、新年会会場の「がんこ宝塚苑」に向かった。

  
・新年会
 12時30分を少し廻ったとこで、「がんこ宝塚苑」に到着した4名と先に来ていた2名を入れて6名での新年会が始まった。参加者数が少なかったので少し寂しい気がしましたが・・。まず、乾杯をし、藤原さんから宝塚雲雀が丘の旧安田邸の活用依頼の件を話され、その後、運ばれてくる食事を口にし、ワイワイ、がやがやと様々な話題に花が咲いた。

新年会 食事場所は個室ではなく、他にも数グループが居てましたが、あまり気にならず、時折、前面に広がる庭園を眺めながら食事を楽しんだ。最後に、今年も皆でH2O阪神を盛りたて、がんばろうということで終わった。あっという間の2時間でしたが、参加者全員、満足して会場を後にした。

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■宝塚市雲雀丘・安田邸見学及び雲雀丘散策

日時:平成24年 3月24日(土)

 土曜日の昼下がり、雨が時折降るあいにくの天気であったが、阪急宝塚線雲雀丘花屋敷駅前に10名ほどのメンバーが集合、山手のほうに歩いて安田邸に向かう。鬱蒼と生い茂った木立の中、古びた洋館が建っている。

安田邸 この建物は、大正10(1921)年に建てられたもので、当主の安田辰次郎氏が自ら設計したといわれる。北米の郊外住宅の様式を取り入れたもので、急勾配の屋根や上下窓などに見られる外観は洋風住宅であるが、内部には仏間や和室も配置されている。宝塚市景観形成建築物、ひょうごの近代住宅100選に選定されている。

 現在、宝塚市が所有管理しているが、建物の傷みが激しいため、雨漏りの応急処置が行われていた。安田邸の保存活用について、宝塚市は地元のコミニティ団体と定期的に会合を開き、検討を進めているところである。
正司邸 安田邸を1時間あまり見学したあと、雲雀丘を散策した。この地区には、国登録文化財となっている正司邸や近代住宅100選に選定されている洋館が点在しており、なかなか楽しい、見所の多いところである。小雨がぱらついたりしていたが、坂道を登り下りしているうちに雲の間から青空が見えてきた。

 散策を終え、雲雀丘花屋敷駅前に戻り、午後2時半過ぎに、散会した。