奇しくも中・西播磨地区懇談会の前日に発生した淡路島の地震。
H2Oの沢田さんから「被害状況の調査協力」という話があると思う…という話を
地区懇談会で先に聞いていました。
後日、H2O淡路地区の奥井さんから正式にH2O各地区へ「協力依頼」の連絡があり、
中・西播磨地区からは、植田(HM10)、岸野(HM9)、衣川(HM8)
の3名が4/20の調査日に現地へ駆けつけました。
集合時間午前10時に洲本高速バスターミナルに集まったH2Oのメンバーは
全部で20名超でした。(神戸新聞淡路版の記事には16名となっていましたが…)
淡路地区奥井さんの説明の後、午前中は2班に別れて調査地へ向かいました。
私たちの班は、県教委の村上さんを筆頭に国登録有形文化財の春陽荘へ直行しました。
客殿や寝殿などについては、壁にひび割れが入ったり、少々落ちていたり、鴨居接合部が開くなどしていたが、致命的な破損は無く、被害は少ないと思われます。
↑↑↑ 地震動による変形の大きな箇所はこうなるが、幸いこの程度で済んだ。
ただ、それらに隣接する洋館については派手に破損していました。
事務室部分の天井や壁の漆喰が大きく剥落し木摺が露出していたり
鴨居が下がって建具が全く動かなかったりしていました。
↑↑↑ 天井の漆喰が剥落している。 横架材に直接塗っている部分については
変形が少なく表面に応力が加わらなかった為、ひび割れもほぼ皆無。
↑↑↑ 壁の漆喰が剥落している。 建物形状・場所など考慮すると
最も応力がかかった部分であると思われる。
深刻なのは、外部であった。
ある程度はこの洋館に係わった人なら予想していたのだと思うが、
今回の地震で明確に建物の不具合部分が見えた。
外壁が剥落して躯体や下地が露出したのですが、雨水が躯体内に回っていて
既にボロボロの状態だった。
↑↑↑ 洋館の外壁の様子。 地震動により剥落してしまった。
特に窓枠周囲はひどく、現在崩れていない部分も含め窓全部について
下地部分が既に問題ありだった。
費用・方法なども含め、どのように改修するか非常に悩ましいところだ。
春陽荘を後にし、街中の調査へ向かった。
今回の地震では、概ね屋根瓦と塀の被害ばかりであり1.17の時と比べても
地震エネルギーも小さく、被害もこのくらいで済んでいるようだ。
↑↑↑ 調査票とカメラを手に被害の様子を記していく岸野さん。
↑↑↑ 屋根をシートで覆っている家が多数ある。
まだ何もされていない建物もいくつか見受けられた。
↑↑↑ 応急危険度判定で「危険」の判定を受けた建物。
明らかに左へ大きく傾いています。
午後からは、みんなで洲本の本町界隈を調査しました。
ここも被害が少ないというものの屋根や塀などが崩れているものがあり
シートなどで覆っていたり復旧作業が進行中だったりしていました。
↑↑↑ 被害状況を実測するH2Oメンバー。
↑↑↑ 屋根の軒先がガタガタだったり部分シートが張られていたり。
↑↑↑ 応急危険度判定がまだ行われてい建物。
建物の傾きが著しく明らかに「危険」判定を出さざるを得ない状態。
このようにして調査が進んでいきました。
この結果を持ち帰って最終的に各担当者が情報を整理してH2Oの調査報告として
情報が挙がってくると思っております。
翌日の新聞記事に私たちの調査のことが掲載されました。
↑↑↑ 淡路地区奥井さんからの提供記事
1.17や3.11の地震時ほどの深刻さはあり感じられず、
本当にこの程度で済んで良かったと思いました。。
私たちもいつくるか分からない地震に対して、古い建物をどのように守っていくかと
いうことを考え、啓発していかなければなりませんね。
今回の調査で色々と分かったことがありました。
確かに建物の建築年で被害の受けやすさが違ってくるということもあります。
それよりも日頃から建物に対してどれだけ手を掛けることが出来ているかということで被害の受けやすさに大きな差が出るということが明確になったのではないかと
個人的には考えております。
みなさま、今回の地震でどの様な事を感じられましたでしょうか。
投稿:衣川幸文(HM8)