平成24年度 神戸地区活動報告

地区世話人 田村 均

平成24年度の神戸地区は、10期生7名を新たに迎え93名の大所帯となりました。前年度からのものを含め、個々のさまざまな取り組み・活動が質・量ともに充実してきたことは勿論ですが、今年度は二つの大きな流れが動き出しました。

大きな流れ

●NPO法人の立ち上げ

任意の活動ネットワークであるH2Oはヘリテージ関係の業務委託の主体となり得ないため、神戸地区でNPO法人を立ち上げたいとの意見は以前よりあったが、澤氏の蔵書を保管・活用する主体としてその必要性が増したことを契機として、平成24年4月の地区懇談会で発議され、設立に向けて具体的に動き出しました。

以後、幾度の話し合いの中でその在り方や実務手続きの検討がなされ、10月に設立総会の開催、11月に申請、2月の認証を経て、今年3月に登記の運びとなりました。「特定非営利活動法人ひょうごヘリテージ機構H2O神戸」として、役員7名・社員25名で24年度末からのスタートです。

 

●第11回記念大会の神戸開催に向けて

毎年恒例のヘリテージマネージャー大会が各地区を一巡して、この25年度は神戸に還ってきます。

ヘリテージマネージャー制度立ち上げから10年の節目となり、この10年の総括と今後の展望をテーマとした記念大会の位置づけがなされ、それにふさわしい企画が求められました。昨年6月のたつのでの大会以降、毎月の準備委員会での中心議題となり、手探りのフリーディスカッションの中から、従来のパネルディスカッション形式は採らず、会場となるホールに各地区のこれまでのプロジェクト毎にブースを設けて、プロジェクトの担当者よりこれまでの活動と今後について展示や各種プレゼンを行い、出席者は興味のあるブースに集まり、プロジェクトの担当者とインタラクティブなやり取りが出来る場としたいという基本コンセプトで合意しました。

それを実現できる会場はKIITO(旧神戸生糸検査所)が相応しいと思われ、自然な流れで計画が進み出しました。25年6月1日の開催に向けて、準備委員会から大会実行委員会に移行し、地区を挙げての取り組み中です。

 

主な活動

準備委員会→大会実行委員会活動

コンスタントに月一回の会合を持ち、今年度は5月に兵庫区の南エリア、7月に須磨区のタウンウォッチングを催しました。また、NPO法人化や第11回大会の準備打ち合わせの場として活用され、新たな展開がなされました。

〔活動期間〕平成22年4月~現在活動継続中

 

ひょうご近代住宅100選・近代住宅定期点検活動

昨年度に引き続き定期的に活動が継続され、活動打ち合わせや現地確認・ポスティング、現地点検と報告書作成に携わりました。

〔活動期間〕平成21年12月~現在活動継続中

 

T家をキーとした諏訪山地区での活動

文化庁補助事業の諏訪山住宅群(T家)を対象とした調査・活用提案が発展的に引き継がれ、地区の文化的背景の考察に踏み込んだ活動が継続してなされています。

〔活動期間〕平成22年7月~現在活動継続中

 

神戸近代建築データバンク

前年度より実施の、東灘・灘・旧葺合・兵庫の4区内の兵庫県近代化遺産に取り上げられた建物を対象としたヒアリング調査と、今年度後半から新たに市内各区の9件を対象に、11名のメンバーでヒアリング調査活動中です。この活動が所有者による登録文化財申請の動きに結実してきていることは周知の事実です。

〔活動期間〕平成20年7月~現在活動継続中

 

有志メンバーによるその他の活動

  • 澤氏が残した書籍・資料の整理を関係者と協力してお手伝いし、一括保管の方途を模索中。
  • グラシアニ邸焼失を受けて、北野地区住民を巻き込んでの茶話会を何度か開催し大山手論を展開。
  • 神戸市よりS(株)の事務所建物の登録文化財申請の話があり、準備上必要な作業に着手。
  • 北僧尾農村歌舞伎舞台の現地調査を実施し安全性を確認。
  • 旧西尻池公会堂(旧ワシオ外科)の保存・活用に向けての地道な取り組み。
  • 神戸市教委の依頼によるJ邸の実測調査協力。
  • 兵庫県の枠を超えて旧大阪市立博物館の調査及び見学会に協力。

など、多彩な活動が展開されています。