平成25年度 神戸地区活動報告

地区世話人 原田 寛司

今年度の神戸地区は、メインイベントとして第11回ヘリテージマネージャー大会の開催がありました。他にも多岐にわたる活動が展開されました。活動の活発化により、次の段階に向けての目標、課題が認識された1年であったと思われます。
以下に今年度の活動概要を記します。

第11回ヘリテージマネージャー大会

6月1日(土)KIITO(デザイン・クリエイティブセンター神戸)
前回の中西播磨地区での大会で開催地が一巡し、今大会から二巡目となりました。詳細は本ホームページの別ページに譲りますが、県内のヘリテージマネージャー以外に県外の2府13県からも多数のご参加を頂き、全体で凡そ300名近くの規模となりました。改めてご参加下さった方々、発表・展示にご協力を賜りました方々、準備・運営に携わって頂いたスタッフ各位に厚く御礼申し上げます。

「NPO法人ひょうごヘリテージ機構H2O神戸」の活動開始

昨年の2月にNPO法人として認可されました「特定非営利活動法人ひょうごヘリテージ機構H2O神戸」(通称「NPO法人H2O神戸」)は、今年度が実質のスタートの1年となりました。主な活動実績、活動中事項は以下のとおりです。

天上寺旧山門
天上寺旧山門での現状説明

S株式会社事務所の国登録有形文化財申請業務

旧ジョネス邸の保存活動への協力

摩耶山天上寺旧山門の保存活動への協力(活動中)

神戸文化財データ整理事業(活動中)

神戸諏訪山ふれあいのまちづくり協議会との共催による諏訪山地区まちあるき

1回の意見交換会

現在、会員数は37名で、随時新規会員を募集しております。

第13回神戸建築物語への協力

神戸建築物語
旧居留地15番館にて

914日に第13回神戸建築物語~旧居留地まちあるき~(神戸市都市計画総局まちのデザイン室主催)が開催されました。午前中足立裕司・山本俊貞両氏による講演が行われ、午後からは総勢65名が3班に分れての、まちあるきが行われました。神戸地区から8名のヘリテージマネージャーが、各班のガイド役として参加しました。神港ビルヂング、日本真珠会館において内部見学を行い、旧居留地15番館、明石町筋等を外部から見学しました。

ひょうごの近代住宅100選・近代住宅定期点検活動

今年度も点検実施(20件)・ポスティング(16件)を実施しました。これ迄の点検活動は25年度で一区切りとなりますが、26年度より新しい枠組で継続される予定です。

神奈川県建築士会横浜支部の来神に伴う交流会

神奈川との交流会
神奈川県建築士会との交流会

213日に神奈川県建築士会横浜支部から18名の方々が来神されました。13日は、旧居留地と北野・山本通の2班に分かれて、まちあるきを行いました。神戸地区からは5名のヘリテージマネージャーがガイド役として同行しました。夜の懇親会では、神戸地区から8名が参加し、和やかに歓談が交わされ交流を深めました。
14日は、淡路島を巡る見学会が行われる予定でしたが、雪による交通機関への影響があり相楽園等の市内見学となりました。

有志メンバーによるその他の活動・出来事

  • 昨年7月文化庁より、山本通3丁目にある「坂井家住宅」が国登録有形文化財として文部科学大臣へ答申がありました。今回の登録申請業務に神戸地区の3名が携わりました。同じく答申された高砂市の「松宗蔵」の登録申請業務にも1名が携わりました。
  • 長田区の和洋折衷住宅K邸の活用への取組み、実測作業。
  • 旧西尻池公会堂の保存に向けた活動
  • 塩屋の旧ジョネス邸の保存運動への協力

平成24年度 神戸地区活動報告

地区世話人 田村 均

平成24年度の神戸地区は、10期生7名を新たに迎え93名の大所帯となりました。前年度からのものを含め、個々のさまざまな取り組み・活動が質・量ともに充実してきたことは勿論ですが、今年度は二つの大きな流れが動き出しました。

大きな流れ

●NPO法人の立ち上げ

任意の活動ネットワークであるH2Oはヘリテージ関係の業務委託の主体となり得ないため、神戸地区でNPO法人を立ち上げたいとの意見は以前よりあったが、澤氏の蔵書を保管・活用する主体としてその必要性が増したことを契機として、平成24年4月の地区懇談会で発議され、設立に向けて具体的に動き出しました。

以後、幾度の話し合いの中でその在り方や実務手続きの検討がなされ、10月に設立総会の開催、11月に申請、2月の認証を経て、今年3月に登記の運びとなりました。「特定非営利活動法人ひょうごヘリテージ機構H2O神戸」として、役員7名・社員25名で24年度末からのスタートです。

 

●第11回記念大会の神戸開催に向けて

毎年恒例のヘリテージマネージャー大会が各地区を一巡して、この25年度は神戸に還ってきます。

ヘリテージマネージャー制度立ち上げから10年の節目となり、この10年の総括と今後の展望をテーマとした記念大会の位置づけがなされ、それにふさわしい企画が求められました。昨年6月のたつのでの大会以降、毎月の準備委員会での中心議題となり、手探りのフリーディスカッションの中から、従来のパネルディスカッション形式は採らず、会場となるホールに各地区のこれまでのプロジェクト毎にブースを設けて、プロジェクトの担当者よりこれまでの活動と今後について展示や各種プレゼンを行い、出席者は興味のあるブースに集まり、プロジェクトの担当者とインタラクティブなやり取りが出来る場としたいという基本コンセプトで合意しました。

それを実現できる会場はKIITO(旧神戸生糸検査所)が相応しいと思われ、自然な流れで計画が進み出しました。25年6月1日の開催に向けて、準備委員会から大会実行委員会に移行し、地区を挙げての取り組み中です。

 

主な活動

準備委員会→大会実行委員会活動

コンスタントに月一回の会合を持ち、今年度は5月に兵庫区の南エリア、7月に須磨区のタウンウォッチングを催しました。また、NPO法人化や第11回大会の準備打ち合わせの場として活用され、新たな展開がなされました。

〔活動期間〕平成22年4月~現在活動継続中

 

ひょうご近代住宅100選・近代住宅定期点検活動

昨年度に引き続き定期的に活動が継続され、活動打ち合わせや現地確認・ポスティング、現地点検と報告書作成に携わりました。

〔活動期間〕平成21年12月~現在活動継続中

 

T家をキーとした諏訪山地区での活動

文化庁補助事業の諏訪山住宅群(T家)を対象とした調査・活用提案が発展的に引き継がれ、地区の文化的背景の考察に踏み込んだ活動が継続してなされています。

〔活動期間〕平成22年7月~現在活動継続中

 

神戸近代建築データバンク

前年度より実施の、東灘・灘・旧葺合・兵庫の4区内の兵庫県近代化遺産に取り上げられた建物を対象としたヒアリング調査と、今年度後半から新たに市内各区の9件を対象に、11名のメンバーでヒアリング調査活動中です。この活動が所有者による登録文化財申請の動きに結実してきていることは周知の事実です。

〔活動期間〕平成20年7月~現在活動継続中

 

有志メンバーによるその他の活動

  • 澤氏が残した書籍・資料の整理を関係者と協力してお手伝いし、一括保管の方途を模索中。
  • グラシアニ邸焼失を受けて、北野地区住民を巻き込んでの茶話会を何度か開催し大山手論を展開。
  • 神戸市よりS(株)の事務所建物の登録文化財申請の話があり、準備上必要な作業に着手。
  • 北僧尾農村歌舞伎舞台の現地調査を実施し安全性を確認。
  • 旧西尻池公会堂(旧ワシオ外科)の保存・活用に向けての地道な取り組み。
  • 神戸市教委の依頼によるJ邸の実測調査協力。
  • 兵庫県の枠を超えて旧大阪市立博物館の調査及び見学会に協力。

など、多彩な活動が展開されています。