中・西播磨 高校生との歴史的建造物修繕作業(H27.12.3)

かなり遅れましたが、
以前より行ってきた活動について報告します。

平成23年度よりたつの市の龍野歴史的景観形成地区において
龍野北高校環境建設工学科3年生の生徒たちと共に
歴史的建造物(旧兵庫信用組合龍野支店の三階建て土蔵)を
生きた教材として所有者にお貸しいただき
大部分を生徒たちの手で補修作業をしていましたが、
このほど5年の年月をかけ、目標としていたところまで
ようやく完成しました。

 

当初、建物は本当に痛みの激しい状況で
生徒たちも不安な面持ちだったと思います。
敷地に踏み込んだ時には雑草に覆われていましたが、
周りをきれいにすると驚きの光景が・・・。

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私たち専門家でないと進められないような作業も当然ありましたが、
生徒たちに試練を与えるが如く、生徒たちで考えさせ、作戦を練らせ、
責任感を持たせて作業させました。
このような状況である為、生徒たちだけでは思うように作業が進まず、
当然の事ながら3年生は卒業を迎え、進学・就職となり
一旦地元を離れることになります。

この活動の良いところは、このような3年生たちが
1つ下の後輩たちへ自分たちの作業を引き継いでほしいと言って
後輩たちに呼びかけ、そして関わらせていく流れが出来たことです。
このような感じで、代々引き継がれていく彼らの現場は、
少しづつ変化していきました。

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↑↑↑ 初年度のメンバー ↑↑↑

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↑↑↑ 2年目のメンバー ↑↑↑

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↑↑↑ 3年目のメンバー ↑↑↑

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↑↑↑ 4年目のメンバー ↑↑↑
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↑↑↑ 5年目のメンバー ↑↑↑

このように代々引き継ぎをして作業を行った結果の
ビフォー/アフターが下のようになります。

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生徒諸君! よく頑張りました!

この活動についても生徒からの評判は上々でした。
これをキッカケに将来地元へ帰ってきて
このような町並みを保全したり活用するような活動を
自分たちもやりたいと言ってくれる者も
たくさんいました。

それが聞けたのが本当に良かったです。

生徒たちが5年間も関わったこの建物は、
これを最後に「大人の都合」で取り壊されてしまいます。

行政や自治会、そして私たちの力も及ばず、
生徒たちに対しては申し訳ない気持ちで一杯ですが、
古い町並みを残そうとする裏では、
このような事態が今後もあるということを
知ってもらうことが出来たので、
「次世代も町の継承を考える」という動きにも期待しています。

まだまだ私たち建築士の挑戦は続いていきます。

 

投稿:衣川幸文(HM8)