「西宮まちたび博」&「西宮の指定・登録文化財展」顛末記/藤原義照

「西宮まちたび博」報告

「西宮まちたび博」の解説案内の手伝いをして今年で3回目になる。西宮市観光振興課が観光協会として10月から翌年3月にかけて開催する歴史と文化を訪ねるイベントである。90以上あるプログラムの内次の6プログラムをH2O阪神が担当する事になった。

①夙川のモダニズム建築探訪 夙川カトリック教会と旧山本家住宅を訪ねる(夙川のシンボル的な存在、夙川カトリック教会と当時のゆとりある階層の生活感が随処に感じられる和洋折衷様式の旧山本家住宅を見学するツアー)

夙川教会  山本家住宅

②甲子園リゾートを追う!浜甲子園の歴史を訪ねて(昭和初期、甲子園から浜甲子園一帯が 一大リゾートエリアであった面影を偲び 阪神甲子園駅を出発し、リゾート開発の要となった甲子園球場へ かつてアクセスとして活躍していた路面電車跡を通りながら”海の手”と呼ばれた当時の戸建住宅を見学。動物園や遊園地を備えていた浜甲子園阪神パーク跡(現 甲子園浜自然環境センター辺り)や 鳴尾競馬場跡(武庫川女子大学付属中学校・高等学校内)などを見学するツアー)

ww01  濱甲子園倶楽部

③、④20世紀近代建築の象徴をめぐる 甲子園モダニズム建築探訪(大正時代から昭和にかけて花開いた阪神間モダニズム。その面影を色濃く残す建築物を探訪煉瓦造りのマンボウトンネルを抜け 当時の住宅の様子が伺える松山温山記念会館(旧新田邸)を見学するツアー)

⑤、⑥貸切りバスでめぐる 阪神間モダニズム F.Lライト建築様式の芦屋ヨドコウ迎賓館と武庫川女子大学甲子園会館を訪ねて( 二十世紀最高の建築家の一人と言われる フランク・ロイド・ライトによって設計されたヨドコウ迎賓館(旧山邑邸)は兵庫県芦屋市の緑に囲まれた小高い丘の上に建ち 1974年には国の重要文化財に指定され 1989年からは一般公開されている。この天才ライトの愛弟子に当たる遠藤 新が遺した建築が武庫川女子大学甲子園会館(旧甲子園ホテル)で 阪神間モダニズムが花開いた時代に造られたこれらの建物を見学するツアー)

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まず、希望者を募る事とし 阪神の全員に募集したところ1名の応募があった。ある程度予想していたとはいえ 少し気落ちする。次に打つ手は1本釣りしかない。6プログラムの内3つは経験者がいるので 最低でも3人は確保する必要がある。幸い新規加入者の歓迎会があり その時に11期の2名が承諾してくれた。最後の1人は言い出しっぺが貧乏籤を引く事とする。これで面子は揃った。

誰でも 新しいプログラムを担当する際、不安を抱くと思い、各自資料を持ち寄り意見交換することに、そして後日、実物を下見することで散会する。各担当が日時を決め下見を行い これで準備は一応整った。

ところが、ホテルでランチ付きのプログラムが1件中止となる事態が起きる。関連したとは勘ぐりたくはないが 折りしもホテルの食材メニューの偽装問題が起こった直後であった。一部の番狂わせもあったが 概ね問題無く消化出来たのではないかと思われ担当して頂いた各位に謝意を表したい。

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「西宮の指定・登録文化財展」報告
それは1通のメールからであった。
西宮市教育委員会文化財課から、市内に存在する指定文化財の公開展「西宮の指定・登録文化財-近代の住宅建築-」を企画しているので、H2O阪神に協力してくれないだろうか と言うものである。
一体どのような事業なのか 我々にどんな協力を望んでいるのか、H2O阪神のメンバーから賛同者を募り、8名が集まったところで、まず、企画した西宮市文化財課の当人に会って内容を確認した。各人の担当を決め、何回かの会合を重ね、準備をし、公開に備えたのだった。われわれが関わったのは、次の3項目、

①「西宮の指定・登録文化財-近代の住宅建築-」展は西宮市立郷土資料館で行われた。紹介された建物は、
・旧辰馬喜十郎住宅
・旧山本家住宅
・浦家住宅
・松山大学温山記念会館

で、それらに関連した展示解説と兵庫県ヘリテージマネージャーの概要を説明するギャラリートークが行われた。
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②現地見学会(近代の住宅建築を見に行こう)

昭和初期、甲子園から浜甲子園一帯に一大リゾートエリアが計画され それと並行して住宅建築が行われた。山の手に対抗して”海の手”と呼ばれた当時の戸建住宅を見て歩き、それぞれの住宅の特徴を解説説明した。

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③ワークショップ(親子で文化財の家を作ってみよう)
国登録有形文化財の模型作りであるが、時間に制限があるため1棟のみを作成し、残りは家に持ち帰り完成させて貰う予定で実施した。

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