ひょうごヘリテージ機構では、年に1回、前年度に取り組んだ、様々な調査報告や活動記録を「ひょうごヘリテージ年報」としてまとめており、活動支援費2,000円を寄付して頂いた方に、1冊お分けしています。
このたび第12集を発刊しました。ご希望の方は、下記の手順でお申し込みください。お送りいたします。(下の画像をクリックするとPDFが開きます。)
また、第3~11集の在庫もありますので、あわせてお申し込みください。
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地域の歴史文化遺産発掘の役割を担うヘリテージマネージャーの集りとして、今期は阪神北地区を重点的に調査・見学を行うことになった。その第1回目として川西市の中心地である川西能勢口駅周辺を対象に見学会が開催された。
6月2日昼過ぎ、駅前の再開発事業により整備された2階デッキにメンバー11名と神戸地区から参加の祝さんが集まり、当該地区の住民でもある前中さんの案内で冨士色素株式会社に向う。冨士色素は昭和13年創業の有機赤色顔料の専門メーカーである。最近では、我々にも馴染のあるインクジェットプリンターや筆記具用インクなどの製品を世に送り出している。
会社会議室にて、前社長で現在顧問をしておられる森禎良氏からお話しを伺う。森氏は工学博士でもあり経営と技術の両輪を担われたようだ。
地域社会の経てきた歴史、会社の歩んできた変遷、染料と顔料の違い、商品開発の工夫と化学式、偽札を判定する特殊ペン、川西多田銀山の観光開発提言等、多岐多様なお話を愉しく拝聴した。その後、工場施設と研究所を見学させて頂き、正門前で森氏を囲み記念写真。一同謝意を表して次の目的地である鶴之荘住宅地に向う。
鶴之荘は大正3(1914)年に開発された郊外住宅地で箕面有馬電気軌道(現阪急電鉄)の能勢口駅(現川西能勢口駅)の開設を契機に開発された。当時の阪急広報誌『山容水態』には鶴之荘の詳しい案内が掲載され、「都会に働き田園に住むは人生の至幸之に過ぎず」と郊外居住を勧めている。
鶴之荘住宅地に入ると野石で造られた幅広の側溝と繁茂した生垣が続く魅力的な景観が迎えてくれる。境界鋲をみると側溝は民地側にあり、各戸がそれぞれに趣きのある石橋を架け、情緒豊かな旧き佳き住宅地を演出している。ただ、屋敷が壊され現代住宅に建て替ったところはRC側溝にグレーチングで趣きは残念ながら継承されていない。
住宅地の一郭に掲げられている「鶴之荘景観保存宣言/景観を保存し次の世代に引き継ぐことを宣言する」を緩やかにでも担保できないものか考えさせられる。
住宅地内を各人各様の思いを話し合いつつ、カメラ片手に歩き廻った後は小戸(おおべ)神社に参拝。摂津国河辺郡の式内社であり、本殿は市指定文化財である。拝殿から参拝できたが立派な覆屋のため拝観叶わず。
夕方近く、川西能勢口駅に戻り見学会を終える。その後有志は駅近くのお店で意見交換・懇親会を催し、美味い料理と酒を味わいつつ有意義な愉しい時間を過ごし散会となる。(文責:藤井成計)
ひょうごヘリテージ機構では、年に1回、前年度に取り組んだ、様々な調査報告や活動記録を「ひょうごヘリテージ年報」としてまとめており、活動支援費2,000円を寄付して頂いた方に、1冊お分けしています。
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生瀬(なまぜ)は西宮市の北東部に位置し、旧くから京・大坂と丹波を結ぶ街道の宿駅として栄えた町である。往時は切妻造り厨子2階建て妻入形式の特徴をもつ町屋が街道に沿って低い軒を連ねていた。そのような妻入り町屋群としては丹波篠山が有名であるが、兵庫県下における最南端は生瀬とされている。
昭和30年代頃までは、旧街道に沿って宿場町の佇まいを色濃く残した町屋が建ち並んでいた。地区の詳細な民家調査が行なわれた1976(昭和51)年においても、23戸の町屋が往時の姿を遺しており、その詳細な図面と写真が報告書「西宮の民家」に纏められている。1995(平成7)年の阪神淡路大震災の影響もあり、現在では往時の面影を遺す民家は少なく点在するのみで、歴史ある生瀬宿の風景は僅かしか遺されていない。
本調査は生瀬地区の悉皆調査を行い、歴史的建造物を抽出調査するとともに「西宮の民家」所収民家の現状と変遷を調査把握することを目的とする。
調査は阪神文化財建造物研究会が担当し、代表を含む6名が調査に参加した。現地悉皆調査は3月7日に行い2班に分かれて実施した。事前に作成した調査シートに抽出した歴史的建造物の現況を目視調査により記録し、写真に納める作業を各戸について行なった。
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旧街道沿いの民家は概ね当初の想定通りであったが、小路を入った奥には隠れたような歴史的民家や蔵が在り思わぬ発見もあった。また小路に沿って旧い敷地割りの石垣と水路が遺されており、宿場町の町割を伝える遺構として貴重なものと思われた。
地区南東に位置する浄橋寺は鎌倉時代初期に開かれた名刹であり、寺所蔵の浄橋寺文書は生瀬の歴史を伝える貴重な史料(市指定文化財)となっている。境内には重要文化財の梵鐘や五輪塔などの石造建造物(市指定文化財)が遺されている。建物としては本堂、庫裏、開山堂、鐘楼等が在り、いずれも木造本瓦葺の歴史的建造物である。
調査の結果、「西宮の民家」所収民家23件を含み36件分の調査シートを作成した。調査シートに各々の建造物の現況を纏めるとともに、巻末に地形図上に建物位置を示した調査図を綴り込み成果報告書とした。(文責:藤井成計)